
小さな世界の小さな子ども(5点)
子どもは、大人の保護下でないと生きることができません。 子どもは、大人の決めた枠の中でしか生きることができません。 そこから出ることも、抗うことも枠を壊すこともできません。 …そこが、どんなに辛く理不尽なものであったとしても。 何の権利もなく、義務ばかりで大人に利用されるだけのちっぽけな枠の中で、それでも大人と、大人が決めた社会という枠を信じて生き、そして大人の身勝手や過ちで自分の身の上に何が起きたかも分からぬままに死んでいった60年前の子どもたち。 「子どもに人権はない」と嘯く者たちは、この本を通してその言葉の意味を考えてみるとよいでしょう。 今でこそ、多少の権利はあるにせよ、子どもを取り巻く実情はさほど変わっていないのではないかと思われてなりません。
斉藤孝先生ご推薦、「全人類必読の一冊」(5点)
広島の原爆で全滅した広島二中一年生322名のうち、調べのついた226名の「8月6日」を追ったドキュメンタリーです。間近で原爆が投下されるのを目撃し、その爆風を受け、 瀕死の重傷を負いながらも、なお親もとに帰ろうとする子供たちと、 広島で何かが起きた、と聞いて何時間もかけて燃える市内に入り、わが子を探す親たち。 二人の娘の親として、子供たちの最期を語る父や母のインタビューはあまりにも痛ましく、涙なしには読めませんでした。 当時の子供の日記も紹介され、あいさつや体操、勉強に今日の反省等、その規律正しさを身につけさせた「教育」に感心すると同時に、 息をひきとる直前「天皇陛下万歳」と言わせてしまうのも、また「教育」なのだと改めて痛感しました。 戦争の最大の犠牲者は間違いなく子供たちです。 小2の娘に「読んでみる?」と聞いてみましたが、 以前「ひろしまのピカ」という原爆の記録絵本を読んで一晩眠れなかったことがあり、「今は、読まない」と。 この本で紹介された子供たちと同じ13歳になるころまでに読んでくれればと思いました。 児童向けの本ですので、語り口も易しく、小学3,4年生くらいからでも充分に読める内容だと思います。
平和を祈って(5点)
本書を読むのは2度目です。 初めて読んだのは小学4年の秋、爆発で体を焼かれそれでも両親に会いたい一心で家路を辿る少年達に自分を重ねひたすら怖くて夜中に母の布団にもぐり込み「戦争の時代じゃなくてよかった」と心底思いました。 そして、今回。我が子の安否を気遣い、燃え盛る広島市内で声を限りに子供の名前を叫び、捜し歩いた親御さん達に自分を重ねて読みました。 「人間」という生き物はいつになったら「戦争」というものの愚かしさに気づくのでしょう?世界中の紛争に首を突っ込みたがる某国、憲法を犯して 迄それに追従するわが国の首相。戦後60年続いた「平和」が危ういものになりつつある今、「私に出来ることは何だろう」と柔らかな息子の体を抱きしめて真剣に考えています。 |