
あてどない浮遊感(5点)
収録作品は78年から85年のもので初期の作品群に当たる。著者の一種独特の倦怠感、浮遊感が表現されていて、「虚無感漂うギャグ」がちりばめられている。しかし作品自体は妙に明るい、というこの矛盾がアズマファンにはたまらない。本に掲載されている、目が点になって足が消えているセールスマンはそれをよく表現している。出てくる少女たちはこの作品ではまだ脇役扱いだったが、この後主役になっていく。
不条理日記(5点)
2巻目には、「不条理日記」が収められています。これは最高に面白いです。例えば、○月×日、朝、起き間違える。というのは、布団から間違えて骨だけが起き上がって、破れた体が寝ているというマンガが描かれているのですが、こういう妄想、これに近い妄想というのは結構誰にでも起こるのではないかと思います。身近で不条理な妄想といいますか、それが次々と描かれてゆくといつしか不条理な妄想をしている自分に気がつく・・・吾妻ワールドに嵌ってしまいます。著者の面白さは、この面白さではないかと思います。他には「SF大会の夜」「とつぜんDr」「トラウマがゆく」「宇宙のセールスマン」「大冒険児」が収録されています。アズマニア3巻の中でも一押しです。
「不条理日記」を収録(5点)
星雲賞を受賞し、NHKの「BS漫画夜話」のテーマにもなった代表作「不条理日記」などを収録。「不条理日記」は、シュールな出来事を淡々と描く吾妻らしい作品。 SFや漫画のパロディーを多く含むが、元ネタを知らない人でも十分に楽しめる。 「SF大会の夜」は、SF大会関連の元々は独立した短編を続けて収録したもの。79〜83年の作風の変化を見ることができる。 他に「とつぜんDr.」「トラウマがゆく!」「宇宙のセールスマン」「大冒険児」。いずれの作品も非現実的な世界を吾妻独特のタッチで紙上に構築した傑作である。 カバーのイラストは「とつぜんDr.」の看護婦さん。 |