アンリ・ルソー 楽園の謎 の紹介ページ
2009/01/10 更新 DVD|CD|ゲーム|洋書
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アンリ・ルソー 楽園の謎
著者:
岡谷 公二
発売日:0000-00-00
出版社:平凡社
定価:\1,365(税込み)
販売価格:
\1,365
(税込み)
人気度:
ジャンル:単行本(ソフトカバー)
ISBNコード:4774307254
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ルソーの人生と作品を一望
(5点)
世田谷美術館の『ルソーの見た夢、ルソーに見る夢』展は、持ち合わせがない、アクセスが不便であるといった理由で行けませんでした。そこで、この本で我慢しました。
ルソーは、画壇からは無視されつづけ、酷評されつづけた画家でした。人生においても、学校・仕事・恋愛とほとんどすべてにおいて成功とは程遠い人でした。とはいえ、これほどめげない人も珍しく、この本ではそうしたルソーの人生が淡々と描かれています。しかし、一般人として生きる能力があまりに欠如しているさまはユーモラスですらあります。手形詐欺事件でルソーの弁護士は彼を「原始人」であると言いました。言いえて妙です。
たびたび題材とされた熱帯の楽園についても、彼は兵役でメキシコに行った経験を元に描いていると言っていますが、これは真っ赤なウソでした。しかし、第三者から見ればウソであっても、彼の場合は自分が真実だと信じていれば真実になってしまうのです。
ルソーの絵画表現に対する批判としては、遠近法を知らない、というものがあります。しかし、彼は遠近法を知らないのではなく、もともとそういった思考法に馴染まない人だった、と書かれています。また、彼は自分はアカデミズムの画家たちを手本としていると考えており、強い執着をもっていたようです。同時代の美術の潮流に対しては、無関心あるいは無批判でしたが、マティスの絵画は受け入れられなかったようです。
それ以外にも、ルソーの現存作品の年代をめぐる研究者の議論についても書かれており、ルソーを軸として美術の知識が広がるありがたい本でした。
美しき天然
(5点)
ルソー展に行くような人には必読の書だろう。アンリ・ルソーはその作品のみならず、そのキャラクターも際立っていたことが良く分かる。この著書でも指摘されているように、基本的にルソーが描きたかったものは‘緑’だったのだろう。‘緑’にしか関心がなかったのかもしれない。例えば肖像画を描くとき、普通の画家であるならば肖像をメインに構想するだろう。しかしルソーにとってメインは背景の‘緑’であり、肖像は二の次のため細かく顔の表情を描くこともなく、立ち位置も気にしないので遠近感も狂ってしまっているのである。要するにルソーにとっては、肖像が‘緑’を際立たせてくれればそれでいいのであるが、このちぐはぐさが不思議な効果を醸しだす。「フリュマンス・ビッシュの肖像」では遠近法の歪みによる肖像の浮遊感が、描かれた人物が今は亡き人だと暗示させるし、「フットボールをする人々」はまさに人々が飛び跳ねているように見える。ルソーのみならず当時の画壇の様子も良く分かる良書。
いつか見た忘れがたい夢のような
(5点)
ルソーの絵は見る人を異空間に連れ出す力を持っている。絵の背景にある音までもが体の中で響きだし、絵と自分との距離が消滅するような感覚に襲われる。
没後〜現在まで多くの信奉者を持つルソー。画家としてはかなり異質な人生を歩み、生前は殆ど評価されなかったこの不遇の画家の、不遇であるがゆえに滑稽にも感じられる日々が描かれた本書は、ルソーの「楽園」の秘密を読者に教えてくれる。
冬のパリ、足しげく通った植物園の温室にルソーが見たのはいったいどんな風景だったのだろう。
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