代表的日本人 内村鑑三著 を読んで(3点)
内容は至ってシンプルであり、内村が尊敬している5人の道徳的に秀でた偉人、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人を上げ、代表的日本人として紹介している。
元々は1894年日清戦争中の頃に書かれたものだが、日本が日露戦争で勝利すると欧州からの日本への関心が高まり、世界へ日本をもっと知ってもらおうとの趣旨で以前執筆したもの「Japan and the Japanese」を改訂して1908年に出版している。
内村の思想的な背景をたどると、「代表的日本人」の元となった、「Japan and the Japanese」を執筆していた日清戦争当時、内外にむけ日清戦争が日本にとっての正義の戦いである、つまり義戦であることを世界に語りかける等、当時の多くの知識人と同様「愛国者」であった。ところが、日清戦争終結の頃からそれは実は「義戦」ではなかったと感じるようになり、その後、当該著作「代表的日本人」が改訂出版される日露戦争後の1908に至っては、あまねく戦争に至っては「義戦」などなく「非戦論」こそが正しい道だとしている。