
抑止力としても、友人の立場を理解する助けにも(3点)
原書初版は1997。読者リクエストで復刊されたというのを知って、購入した。私には十代の頃から鬱傾向があるので、本書を抑止力として役立てたかった。また、知人の家族が亡くなった際、接し方があれでよかったのかどうか知りたくて読んだ。1999年以降、日本でも毎年3万人以上が自殺している現在、私たちは誰もが社会的に「残された人々」なのかもしれない。本書には、遺族の典型的な感情が時間順に並べられているので、理解はしやすい。でもやはり、それは事実の羅列であって、特定の一人の場合にはどうか、という答えは自分で考えるしかない。典型的な感情の解説や、より端的な例は載っているが、それは特定の場合を考える手がかりであり、一般論でも答えではない。一つ確かにわかるのは、「解けない謎があっても、生き続けることを選択した人々がいる」ということかもしれない。この本では、遺族同士がお互いに体験を語り合う会が役立ったと強調されている。読書では人の体験を読めても、自分の体験を聞いてくれる人はいない。一方で、遺族以外の人物が会に入ってきたとき、会の親密な関係が崩れた例も書かれている。だから、遺族本人以上に、遺族の友人に最も役立つのが本書ということになるかもしれない。
自殺の余波の中にいる人たちへ(5点)
自殺は自殺当事者について語られやすく、残された者についてはほとんど語られることは無い。それどころか、自殺の原因の一つとして語られやすい。残された者はどういう気持ちになるのか、について著者の体験と多くのインタビューから内容が構成されている。自殺直後の心境から回復にむけての過程まで、多くの残された人たちの声によって構成されている。 この本を読むと当り前のことに気づかされるのだ。自殺は当事者だけでなく残された者に対しても大きな影響を与えるということを。その影響ははかりしれない。しかし、そこからなんとか回復し彼らは生き続けているのである。愛していた夫が妻が親が子どもが自殺し、そのことに怒り、嘆き、自責の念で苦しみ、自殺の理由探しをする長いトンネルを潜り抜けて、その死を受け入れて自分の人生を歩んでいく。この本ではその過程の中の多くの人の声を聞くことができる。
愛や信頼と言うけれど・・・(4点)
知人に紹介されて読み始めたのですが、以外にも深く考えさせられ、涙が出る本でした。どんなに愛してる、どんなに信頼している、と思っていても実際相手にはどう受けとられているのでしょうか・・・ この本には「自分だけには一番大事な事を言ってもらえるだろう、と思う人に何も言ってもらえなかった」と言う裏切りに近い悲しい事実が多く書かれています。 色々な問題がある今の世の中、このような本は絶対になくてはならないと思いました。 ただ、あまりにも悲しく、ショッキングな文があるのでとらえかたは人によって違うだろうなと思いました。 |