
人々はその時どう動いたのか?(5点)
本書が出るまでの三年という時間は膨大なデータの重ね合わせと、
起きた事を冷静に見極めるために要したようだ。
そこから「全体がモザイクの様に描き出されてくる」事実。
倒壊する102分の間に両棟内で何が起こっていたのか?
読者は倒壊することを知っているが、本書の登場人物は知らない。
その差は読んでいて表現しがたいものがある。登場人物が多すぎて
米国の書評でも「読んでいて混乱する」との指摘がある様。が、
その読みにくさを全て差し引いても読む価値は十分すぎる程ある。
dvd「9・11NY同時多発テロ衝撃の真実」には本書にも出てくる
ファイファー隊長やジャッジ神父の姿が見える。合わせて必見。
斬新な視点だけれど(2点)
物語の切り込みは斬新だけれども、時間経過と登場人物の分かりづらさで、読みにくいなと感じた本。タワー突入時のニューヨークの衝撃を、タワーの外と中から登場人物を絞って時間を追って書き込んでいく形式です。横文字の人名が長いのと、2つのタワーでの時間経過が混ざるので、読みづらいと感じました。エピソード一つ一つは大変重要なものです。一瞬の衝撃、激震、あの瞬間が建物の内部からリアルにかかれ、その後の人々の行動には勇気があり、献身があり、愛があります。これらエピソードひとつひとつを追っていくと魅力ある本ですが、全体通して読むとちょっと読みづらいな、という印象。
建築・防災関係者 必読の書(5点)
まさに、驚くべき証言に満ち溢れた書である。 こういった巨大災害においても、被害者個々人にとっての災害は、 あくまで個人的な出来事であることを痛感させられる。 ニュース映像を見ているだけでは絶対分からないことである。 これは、阪神大震災に関する書物を読んでも感じることだ。ネタバレになるので詳細は書かないが、 崩壊した瓦礫の中にも生存者がいたこと。 崩壊の危険性が予測されながら、現場の消防士たちにはその情報が伝わらなかったこと。 北タワー内部にいた人は、南タワーの崩壊を知らなかったこと。 などなど、そのひとつひとつの具体的証言は驚かされるものばかりだ。 そうした中で、一瞬にして凶器と変わりうる高層建築は人間社会の中でどうあるべきか。 防災設備は経済原理との兼ね合いの中で、何処までコストをかけて、どう設計されるべきなのか。 結局、このような超高層ビルを建ててしまったことが事件の発端であっただけに、 建築・防災に携わる人には、是非とも教訓としておくべきこと満載である。 なお、私に限って言えば、翻訳文が気になることは全くありませんでした。 横文字の名前も、男女の区別に戸惑ったくらいです。 |