
「Number」を目指した?(4点)
文庫本の持ち歩きやすさ、プロ野球の裏といういわば軽く読めるサブカルチャーから、手に取った。
10名のライターによる著作で、プロ野球の「スキャンダル」というより「人間くさいドラマ」を著したといっていいだろう。今までスカウトにスポットを当てたものを読んだことがなかったので、スカウトに直接インタビューした部分は非常に興味深い。
そのため、裏オビに「新聞・テレビが報道しなかった[球界タブー]のすべて」とあるが、ある程度新聞やテレビで報じられていたことが中心であり、必ずしも新しい知識を得られることは難しい。しかし、センセーショナルな当時の報道をまとめたのではなく、関係者への聞き取り取材による事実を積み上げていった過程は「実はそうだったのか」と感じさせてくれる。いわばスポーツ雑誌「Number」を目指したようなものだろうか。
このような人間くさいドラマをスポーツメディアにもっと取り上げてもらえれば、プロ野球を深く知ることができ、プロ野球の人気復調にもつながるような気がするのだが……
プロ野球ファンのみならずスポーツファンには、ちょっとした時間に読むにはおもしろい文庫本であろう。 |